ウィーラポーン・ニティプラパー
最初の小説『迷路の盲目のミミズ』が2015年に東南アジアで権威ある東南アジア文学賞を受賞、2018年には2作目の『Memories of the Memories of the Black Rose Cat』が再度東南アジア文学賞を受賞し、女性初の同文学賞2冠となる。作品には小説や短編があり、タイの古典文学の影響を受けた独特の叙情性と、現代アジア社会における人間関係や現在の政治との交差を繊細に考察している点が高く評価されている。
チダーナン・ルアンピアンサムット
1992年生まれ。タマサート大学教養学部にてロシア語を専攻。2017年、短編集『檻の外のライオン』で東南アジア文学賞を受賞。25歳での受賞は史上最年少受賞。国内のほぼすべての文学賞を総なめにしており、2013年に短編集『壊れた破片』で、2016年には長編小説『絶望の時代』でYoung Thai Artist Awardを受賞。2015年にはナーイ・イン・アワード最優秀短編賞を受賞。タイ文学を英語で紹介するタイ初のアートジャーナル『バンコク文芸レビュー』で、「The Raven Arrives(ワタリガラスの飛来)」と「The Girl Who Was Raped Through Her Earholes(耳の穴からレイプされた少女)」を発表。また、映画『Bad Genius(バッド・ジーニアス 危険な天才たち)』の脚本を小説化。小説はJamsai出版社から出版され、ベトナムと台湾でも翻訳販売されている。「ロー・ルアナイマハーサムット」のペンネームでボーイズラブ小説を中心としたヤングアダルト小説も執筆しており、今後の活躍に注目が集まっている。
プラープ
1986年、バンコク生まれ。本名チャイラット・ピピットパッタナープラープ。「プラープ」の筆名で知られる。タマサート大学商学・会計学部業務管理専攻を卒業。18歳のときにインターネットで若者向けのコメディ小説を発表、2004年にデビュー作となる『押し倒す愛』を上梓。会社勤めをしながら数年にわたって執筆を続け、最初のサスペンス小説『狂騒の混沌』(2014年)は、国内の多くの文学賞を受賞。殺人事件の手掛かりとして古典的な詩を使ったこの小説は、2014年ナーイ・イン・アワード最優秀推理小説賞を受賞し、プラープは「タイのダン・ブラウン」と称されるようになる。プラープは、サスペンス以外にもSF、ラブ・コメディ、ホラー、BLなど、さまざまなジャンルの小説を並行して執筆している。社会的不平等を暴き出したディストピア小説『シャムの墓所』(2020年)は、基礎教育委員会書籍コンテストで優秀賞を受賞した。 メディアの注目度も高く、『狂騒の混沌』はチャンネル・ワンで、ラブ・コメディ『この運命は衰えない My Precious Bad Luck』はチャンネル・スリーで、それぞれ2018年と2019年にテレビドラマとしてシリーズ化された。