2020年2月25日(火)、ヤマハミュージックホールで婦人部主催の箏(Koto)コンサートを行いました。
演奏をしてくださったのは、バンコクはもとより日本、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、フィリピンなどで演奏活動や後進の指導でご活躍中の坪井紀子氏を中心に、自らも箏を演奏され、ソプラノ歌手としてタイ国日本人会女声コーラス指導をされている盛田弥生氏、日本で活躍されている生田流箏曲筑紫会大師範、金井三奈氏。タマサート大学へ交換留学中の折瀧千栄氏。
さらに、ゲストとして、バンコクインターナショナルオーケストラの首席ヴィオラ奏者として活躍中の西島りえ子氏にご出演いただきました。
プログラム1番、最初の曲は日本のお正月をイメージするにはぴったりの宮城道雄作曲「春の海」。本来は箏と尺八の二重奏のこの曲を、箏二面のためにアレンジされたバージョンで演奏されました。あまりにもぴったりと息のあった音の流れに、実際は十三絃二面での演奏が、まるで一台の箏から幅広い音が鳴り響いているような、そんな感じがしました。
プログラム2番目は、箏の伴奏でソプラノ歌手、盛田氏の歌を5曲。
「越天楽今様」「平城山」「浜辺の歌」「花」の4曲。学校の音楽の時間に聴いたり歌ったりしたことのある、懐かしい曲が続きます。5曲目「ジュピター」も 原曲は、ホルスト作曲管弦楽組曲「惑星」の「木星」に歌詞をつけられたものですが、平原綾香が歌いヒットした曲なのでどれも耳慣れた曲ばかり。どの曲もゆったりとしたメロディーで、幅広い声域の音が出てきますが、会場内に響きのある情緒たっぷりの歌声が、時に十三絃、時に十三絃と十七絃・・・と、多彩なお箏の伴奏にのせて会場内に広がります。
プログラム3番目、前半最後の曲は、沢井忠夫作曲「三つのパラフレーズ」。テーマを様々なテクニックで変化させて展開していくので、箏でもこんなにいろんな音が出るのかと驚くほどの多彩な表現を楽しめます。
休憩後、後半最初は、栗林秀明作曲「絵夢」。自然の中で感じられる様々な音を、本来の尺八と箏の組み合わせから、ヴィオラと箏にアレンジ。何故か、日本古来の楽器であるはずの箏の音色が、ヴィオラと組み合わさることで、時にハープの音を聴いているような錯覚を覚え、思わず演奏している箏を見間違いでは、と目をこすりながら見てしまうほどの箏の音の変化を堪能しました。
プログラム最後は沢井比河流作曲の「上昇の彼方」。若い世代の箏人口を増やした、といわれるのが頷けるメロディーラインにノリの良いリズムで聴衆を飽きさせないとても人気のある曲です。聴いて楽しみ見ても楽しめる箏の素晴らしさ、面白さを十分に伝えてくれる演奏で、会場のお客さんがワーッと感動して箏の演奏に夢中になっていく様子が手に取るように感じられました。
箏四面というとても贅沢な伴奏にあわせて、「ふるさと」を全員で歌ってお別れするころには、箏の虜になっていました。
新型肺炎に対する対応もあり、厳しい状況下での演奏会になりましたが、聴きに来られた方々は皆さん、バンコクでは聴く事の難しい素晴らしい演奏と演出に感動し、とても喜んで帰られました。
婦人部ではこれからも様々なイベントを開催してまいります。4月にはヘアケアのイベントを企画しておりますので、是非、多くの会員の皆様にご参加いただけますよう、よろしくお願いいたします。
(婦人部 室賀さゆり)