2021年10月26日(火)、「『陛下の映画』が映した日本」を日本学術振興会特別研究員RPD(名古屋大学)の櫻田智恵氏に日本からオンラインにて講演いただき、71名の方にご参加いただきました。
明治以降、皇室と王室は交流が深まり、特に1963年5月27日から6月5日前タイ国王プーミポンご夫妻は日本に滞在され、翌年1964年12月14日から21日には現在の上皇ご夫妻がタイ答礼訪問、以来親しく交流されていることをプーミポン前国王ご夫妻訪日時スケジュールや上皇ご夫妻の訪タイ時の写真で知ることができました。
そして、『陛下の映画』についてです。1950年の初上映から1971年までに17本の「陛下の映画」が制作され、撮影したのは主に、側近中の側近ケーオクワン・ワッチャロータイながら、総監督は、国王ご自身。「撮影すべき角度、編集方法、弁士の述べる内容,バックミュージックの選定,そして上映前の各映画の検見に至るまで,全て陛下が直接ご指導なさいました。」とのこと。プーミポン前国王ご夫妻訪日時のフィルムは,日本の撮影規制のせいか、ほぼ無く、上皇ご夫妻の訪タイフィルムは54本あるそうです。
「陛下の映画」は、上映場所へ収益が下賜されたため、学校や病院での上映希望が殺到、また、上映場所周辺に陛下の御真影を置いた装飾机を設置すること,上映前には県知事が映画が国王陛下のお慈悲を示すものであると述べる等「陛下の映画」は分身化していき、1970年代以降はプーミポン前国王ご自身が行幸するようになりました。こうして「プーミポン国王」が定着し、現在国王讃歌や御真影の設置が日常となっていることがよくわかりました。
お話を伺って、同じ時代に皇室・王室にいらっしゃる同年代同士の絆も拝察いたしました。
婦人部では、暮らしのお役に立てる企画・心豊かになれる企画を考えてまいります。
次回は、11月23日(火)オンラインでの「気軽に出かけられるタイの観光スポット」を予定しております。皆様のご参加をお待ちしております。
タイ国日本人会婦人部 根本敦子