活動報告 / リリース
同好会
  • 【​女声コーラス】2/16(日)定期コンサートを開催いたしました。
    2025年03月03日(月)
2月16日の日曜日の昼下がり、ジャスミンシティーホテルJASMINE CITY HOTELのおだやかな一室。
110人ものお客様が、私たち女声コーラスグループの歌声を聴いてくださいました。
ありがたいことに今年は33回目の定期コンサートとなります。ご指導の先生と部員の意見を合わせ、25曲を二部構成のコンサートにしてお届けしました。
第一部は、誰しもが音楽室で歌ったことのある滝廉太郎の歌や文部省唱歌を選曲しました。
日本の原風景を歌詞にのせてお届けしたので、心が温まりながらもすこし郷愁を誘ってしまったはず。私たちもお客様も、胸があつくなった頃には休憩時間です。
さて第二部では、日本のポップソングや応援歌の登場です。タイに来たばかりの心境や、乗り越えてきたたくさんのことを思い浮かべると、自分を褒める気持ちが湧いてきます。「また明日から、それぞれの生活が彩豊かでありますように」と願いを込めて歌いました。
 
この中で私のお気にいりの曲は「ふるさとの四季」です。
この曲は、11曲の文部省唱歌を春から冬の順に連ねたメドレーで、楽譜もたっぷりの31ページ。まるで歳時記をめくるような気分で歌詞を味わいながら、みんなで練習をしてきました。
春夏と季節は進み、秋冬の歌になると、忘れかけていた記憶がよみがえります。はらりはらりと落ち葉が舞う情景や朝の霜を踏んだときの音。練習の開始は11月まさに霜月でしたが、常夏の国で住まううちに冬の思い出がおぼろげになっていたことに気づきました。
日本をすこし忘れるということは、同時にタイでの暮らしに馴染んできた、よい印でもあります。それにも気づき、ますます思い出深い曲となりました。
 
練習の日々とメンバーについて、すこし紹介させてください。
私は2024年に女声コーラスに入ったばかりの身です。かつて「サウンドオブミュージック」の映画を見て、スキップしながら歌って生きたい!と思ったまましまい込んでいたことを、ようやく実現することができました。
メンバーはタイに来て間もない方、はたまた30年選手、年齢や音楽経験もさまざま。コンサートへの道のりも十人十色です。
今回の練習の日々を、私は何度となく中高時代の文化祭に向けた日々と比較しました。こんなに境遇がさまざまな人の集まりなのに、なんだかうまくいく!みんながお互いの個性を思いやり、得意を持ち寄って尊重し合えているのです。大人の魅力がたっぷり!
女声コーラスメンバーは感性ゆたかで能力にあふれた方が多いと感じます。
毎週、お互いに褒めあうことばかり。相手の人生をすこしのぞき見すると、憧れるあまりまばゆく感じることもあります。すると今度は自分の良いところを見つけてもらえます。自分にとっては普通だと思っていることも、他者からみるときっとすばらしい特質や経験なのだと考え、自分を大切にしようと前向きな気持ちになれるのです。
異国に住み、なんだか自分のことが分からなくなっちゃったなあ、という矢先に出会った女声コーラスのメンバーたち。大変居心地のよい場所となり、入ったばかりの初々しい気持ちをすっかり忘れるほどとなりました。
 
あたらしいことを始めたときの、目に飛び込む真新しい景色。最初の1度だけのお楽しみが私は大好きです。
合唱では、つぎつぎに新曲が登場します。歌の登場人物に思いを馳せると違う景色が見えてきます。新しいメンバーと知り合う度に、彼女たちの人生に思いを巡らせる楽しみもあります。人生をかさねるひと時を、歌いながら楽しみたいと思っています。
出会いと別れの多いバンコクで、毎年の顔ぶれは変わっていきますが、私たちの定期コンサートがもしかすると風物詩となり、日本人会の歳時記として刻まれていくのでしたら、この上ない喜びです。
 
佐藤えりか
 
 
リスト一覧へ
Copyright © Japanese Association in Thailand. All Rights Reserved.